ボルシチに不可欠な「赤いあいつ」。簡単スープ料理をご紹介

ボルシチに不可欠な「赤いあいつ」。簡単スープ料理をご紹介

肥沃な大地が広がる黒土地帯の恵まれた場所にあるだけあって、ここウクライナでは、夏の野菜や果物は「新鮮・うまい・安い」三拍子揃った大地からの恵そのものです。

冬の間地下室で眠っていた野菜たちが底をついてきて、新たに市場に登場するシーズンの始まる時期で、キオスクや露店のおばあちゃんの売り物ラインナップをみては、体が細胞レベルで新鮮な野菜たちを待っていたことを実感します。

 

ビーツ(赤カブ)は女の味方だ!

ビーツはウクライナ語でブリャク(=буряк)と言います。ロシア料理で一番有名なボルシチはレストランなどで食したことがある方々は多いと思いますが、発祥はウクライナらしいです。

このスープの赤い色の正体であるビーツは「飲む輸血」と言われるほど栄養豊富。ミネラルやらビタミンやら、鉄・葉酸・・・まあ、とにかくすごい食材なのです。

 

           ビーツの皮をむいたところ(右)。真紅カラー。白い服にはご注意を!

 

貧血や美容にも良いとなれば、毎日、毎食?!食べたいところ?!ですが、なぜか日本のスーパーで見かけることはほとんどなく、調理した経験がない方も多いと思います。私個人としては、日本人に食べて欲しいし、農家さんももう少し生産してくれればなあと思う、今日この頃。

肝心の味ですが、食べ慣れていない人は多少の泥臭さを感じてしまうかもしれません。煮込んでも煮崩れすることはなく、人参のような食感で、煮ることで甘みが増します。

煮てから薄切りにして、塩胡椒、酢、生ニンニクとオリーブオイルをかけるだけのサラダは、ビーツの独特な風味をうまく引き出して、それぞれの特性がうまく調和してとても美味しいです。生でも食べられるらしいですが、土っぽさが強調されそうで私は食べたことはありません。

 

見た目が地味すぎて、当たり前すぎて、話題にもならない

  土がついて赤みが見えないビーツ。改めて日本の野菜たちが、綺麗な状態で販売されていることを思い出す。。

 

ここウクライナでは、泥にまみれた地味な格好で大量に売られているビーツですが、ジャガイモと同様植えれば育つ、手をかけなくても良い当たり前すぎる食材がゆえに、全く特別視されていません。彩の良さからサラダにしたり、ボルシチを作るときには欠かせない食材で、ただ単にフツーに食べられています。そしてめちゃくちゃ安い。1個10円単位です。

ビーツの選び方・調理方法、硬さが重要。

購入の際のポイントは、ごりっとして硬いものを選ぶこと、大きさは手のひらに収まるサイズがオススメ。小さいのも硬ければOK。調理する際にはサイズにもよりますが、丸のままコトコト1時間以上煮る必要があり、ドでかいものは処理が大変です。

 

濃くてドロッとした、ドラキュラ・スープ! 貧血気味の人に飲んで欲しい!

そんなビーツですが、もし見かけて購入できたら、ぜひ試してもらいたいスープがあります。初めからボルシチはハードルが高いので、今回は我が家で作っている、簡単に作れるスープをご紹介します!

          シンプルで甘みもあり、体の細部に浸透していく感じ。素直に美味しい!

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真紅のスープ、名付けてドラキュラ・スープ 

—材料—

ビーツ 1個

玉ねぎ 1個

ジャガイモ 1個(ポタージュっぽくとろみをつけるため)

スープストック(コンソメや顆粒スープストックでも良い)

塩胡椒

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以上、いたってシンプル。

人参やら余り物を入れてもいいですが、ビーツ本来の味を味わうために、今回は他に何も入れていません。

 

1.野菜の栄養価が高いので、今回はきちんと鶏の胸肉で出汁をとってみました。(肉自体は使わないので、別料理に利用)顆粒スープストックの場合、ここはスルー。

 

2.具材の準備。

ビーツは硬いので、皮をむいてから半分にして、薄めにスライス

後からハンドミキサーで潰すので、玉ねぎとジャガイモはテキトーなサイズに。

 

3.まずビーツをスープ(水)に投入して煮ていきます。煮立ってきたら、残りの野菜も投入。

弱火にしてコトコト30~40分くらい煮込んで、味を整えます。今回は塩と胡椒少々だけ。

(顆粒スープストックの場合はここで投入)

ビーツが柔らかくなったら火を止めて少し冷まします。この段階でビーツにゴリゴリが残らなくなるまで煮るのがコツ。

それ以外は、とにかく適当で平気です。

 

4.ハンドミキサーでなめらかになるまで潰したら出来上がり。

アッツアツでもいいし、冷めても美味しい。じっくり煮たことで泥臭さは抜け、甘みのあるぽってりしたポタージュになります。

 

今回はクリーム系のチーズに(※ディル)と青ネギとニンニクを混ぜたものを添えましたが、サワークリームや生クリームをかけてもおしゃれです。

※ディル=ロシア料理に入っている確率が高く、クセのあるハーブ。ディルに関しては、また別の機会に紹介したいと思います。

 

いかがでしょう。

私はずっと貧血気味で、血液検査のたびに引っかかってしまい、レバーを食べなさい。と言われ続けていましたが、ビーツのおかげで改善したように思います。レバーをムシャムシャ食べられないけど、これならパクパク食べられます。

機会があったらぜひ、ビーツの料理、試してみてくださいね!

 

 

遠い異国の地から、SACHIALE Lifeをお届けしていきます。

次回もぜひ、お立ち寄りください!!