ウクライナの「ボリューミーな肉」を日本式に捌く!

ウクライナの「ボリューミーな肉」を日本式に捌く!

ウクライナで主に食べられている肉のメインは豚肉です。続いて鶏肉。牛肉もありますが、品質が一気に落ちて匂いもあり美味しい牛肉にあったことがないので、ほとんど購入することはなく主に合挽肉しか使いません。美味しい牛肉をゲットできたらビーフストロガノフを作りたいのですが。。

その代わり豚肉の品質は良く、近所に美味しい肉のキオスクがあれば完璧です。今年近所にオープンしたキオスクが高品質の肉を売ってくれるのでありがたい限りです。

 

村人は自宅に鶏と豚その他を所有。手作り料理のクオリティに脱帽。

親戚の家が村にあるので、新鮮な卵や野菜などをもらう機会があるのですが、豚を処理する=屠殺・・の場合は基本的に全てを使います。適切に処理された肉を使用して作られたハムやソーセージは手慣れたおばちゃんたちのさじ加減が絶妙で、特に手作りハムはしっとりとした肉に脂身のふわっと甘い芳醇な香りが舌の上に広がり、デパ地下のお高いブランドハムに匹敵、いいえそれ以上?!に本当に美味です。また食べたい。。

 

日本の薄切り肉が恋しい。

私はもともとステーキなどの厚手でボリューミーな肉を好んで食べていなかった事もあり、バラ肉やこま切れ、ロースなどの薄切り肉を使った料理を作る方が楽なので、塊の豚肉は主にボルシチくらいです。。家族もそれに付き合わされることになりますが特に文句はなさそう。ここウクライナでは肉は部位ごとにどどーんと売られているか挽き肉で販売されているので、薄切りが欲しいとなると自作しか方法がありません。海外在住の方で同じ悩みを持っている人がいるかもしれませんね。

 

ひたすらに包丁を入れてゆく。

うちにはスライサーなんて素敵なものはないので、まず肉の塊を整えてラップをしてから冷凍庫へ。カチコチになると包丁が入らないので、2.5〜3時間くらい様子を見て冷凍庫から取り出しカットしていきます。

           トップ画像に載せた豚肉を冷凍したもの。いい感じで冷凍できています。

 

今回は豚肩ロース=лопатка(ラパートカ)1kgに挑戦です。ちなみにこれで98グリブナ(400円位)。

私が一番好きなバラ肉=грудьнка(グルジンカ)の場合は軟骨があり、複雑に入り組んでいる場合はどうしても肉の中に留まってしまうため、食べる際に邪魔になってしまいます。どうやって軟骨を切除しているのだろう?と改めて考えると肉のカット技術って難しいんですよね。職人さんはすごいなあ。。と実感します。

肩ロースの部分は軟骨がないので扱いが楽です。カットしていくうちに部位が変化して脂身が増える場合は、途中からとんかつ用に厚切りにしてもOK。今回は脂身が薄いので薄切りのまま進めます。

                冷たいので鍋つかみをビニールに入れて押さえる

               1.5mmから2mmくらいになるように、ひたすらカットしてゆく。

                       地味な作業、コツコツと。1段目。

                    最終的には5段になりました。

                  どうしても中心がこんもりしてしまう。

カットして皿に並べてラップして、カットして・・を繰り返し、40分くらいかかってようやく完成しました。ふう。

スーパーで売っているしゃぶしゃぶ用の肉やトレーに綺麗に並んだ肉たち、、懐かしい遠い過去の出来事のよう。。

 

              美しいピンクの肉の色。今回は綺麗にカットできました。

これをそのまま冷凍庫に保管して、使用する分だけラップの間に包丁を差し入れてバリバリ剥がします。本当は個別に梱包すればいいのですが、使う量がまちまちなので毎回こんな感じです。きちんとやりたいのに最後は大雑把。。性格が出てるかも。。

これを炒め物に使ったり、トマトと煮込んでパスタソースにしたりするのにも、薄切りだと時短になるのでやっぱり便利です。うちでは塊の肉を購入した場合はこの手間が重要になります。

ハムやサラミをカットするためのスライサーはお店に設置されていますが、生肉をカットする文化はなさそう。夫の友人に簡単な薄切り肉料理を出した時は、こんな薄い肉の料理は食べたことがない!と言っていました。

生姜焼き、チーズ入りミルフィーユとんかつ、そんな料理を提供したらウクライナで流行るかも知れません。料理の探求は奥が深い。別の機会に肉料理に関してまたご報告できたらと思います!

 

遠い異国の地ウクライナから、SACHIALE Lifeをお届けしていきます。

次回もぜひ、お立ち寄りください!!