「Поехали!」ガガーリン、地球を飛び出す

「Поехали!」ガガーリン、地球を飛び出す

西側諸国との冷戦真っ只中だった1961年に人類史上初の有人宇宙飛行を成し遂げた宇宙飛行士のユーリー・ガガーリン。

地球帰還後にソ連のプロパガンダとして世界中に名を轟かせ、宇宙開発のシンボルとして彼の本やグッズは現在でもたくさん目にすることができます。

               ソ連時代に製作されたバッジのデザイン レトロかわいい 

有人宇宙飛行はガガーリンが初ではなかった等、冷戦当時の内部で起こった出来事の隠蔽が取り沙汰されていて、宇宙ミッションに関してはダークな陰謀論がありますが、それはさて置きガガーリンを中心とする宇宙テーマの雑貨は、ソ連好きの私の目から見てキッチュで愛おしいものであることは間違いありません。

 

「地球は青かった」しかし「神はいなかった」

ソ連時代から「アネクドート」という小話伝統があります。政治風刺やジョークの類いを口語調に語ったもので、恐ろしいことにスターリン時代には収容所送りになる程の禁句だったらしいのですが、現在では平和的に新しいアネクドートが作られているようです。

日本風に言えばユーモアとメタファーを含んだ大喜利の答えに対して「座布団1枚!」の感覚に近い娯楽の一つで、ウォッカとともにおじさんが集まって「ガハハ」とやっているイメージがあります。

そんなアネクドートですが、ガガーリンにまつわるものもあります。

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ガガーリン帰還後の歓迎パーティーでロシア正教の総主教が尋ねた

総)「宇宙に行って神を見たか」

ガ)「見えませんでした」

総)「我が息子、そのことは内密に」

 

その後フルシチョフがガガーリンに尋ねた

フ)「宇宙で神を見たか」

ガ)総主教との約束を思い出して「見ました」

フ)「同志よ、そのことは誰にも言うな」

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共産主義時代の宗教に対する抑圧と統制の表裏を表現している一方、宇宙に対して挑んだ高度なテクノロジーと対比して、シンボリックで原初的な神が根付く牧歌的なニュアンスが、いかにも広大な大地を思わせるロシア的なアネクドートとして趣深いものを感じます。

 

面白い記事がAFPBB NEWSに載っていたので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げたロケットエンジニア、セルゲイ・コロリョフとガガーリンのお話。本当に面白い!

 

ガガーリンの世界初の有人宇宙飛行、打ち上げ直前の会話は?記録文書を公開

【4月11日 AFP】旧ソ連の宇宙飛行士、ユーリ・ガガーリン( Yury Gagarin )が人類初の宇宙飛行に成功してから50年を迎える12日を前に、ロシア当局はガガーリンの一生に関する700ページ以上に及ぶ文書を公開した。  ドミトリー・メドベージェフ( Dmitry Medvedev)大統領はモスクワ( Moscow)郊外にある宇宙管制センターを訪問し、ウラジーミル・プーチン( …

 

最強にロマンチックな「宇宙飛行士」という存在

                   ソ連時代のイラスト 月とランデブー。 

強靭な精神と肉体を持ち、頭脳明晰で人格的にも優れた人物だけが手にできる切符を持って宇宙に飛び立つ宇宙飛行士。ガガーリンのミッションから60年近く経った今でもあの当時米ソ宇宙開発競争に情熱を傾けたエンジニアや飛行士たちの状況を想像するとワクワクしてきます。それと同時に金星人やリトルグレイを連れ帰ってきてくれたわけではないのに、有人飛行に想いを馳せるとなぜかものすごくロマンチックな気分になってしまいます。

数字の苦手な私が考えただけで蕁麻疹を発症するような高度な計算上に基づいた宇宙工学を駆使したテクノロジーの真ん中に、ムクムクなコスチュームに身を包んでПоехали!「=行こう!」と宇宙に飛び出したガガーリン。

大きなプレッシャーと国家を背負ったミッションを越えた先にある、根源的で純粋な冒険心が今でもずーっと地球を周回しているような気がして、夕暮れに空を眺める時、ぼんやりとそんな宇宙的な広がりを想像しては心にふわっと高揚感が飛来します

 

「Космонавт」な雑貨たち

プロパガンダポスター

左)гордись, советский человек, ты к звездам путь открыл с земли! ソビエト人は誇りを持て。あなたは地球から星への道を開いたのだ!

右)слава первом космонавт ю. гагарину. 最初の宇宙飛行士、ガガーリンに栄光を

私のワークスペースの正面の壁には2枚のКосмонавт(=宇宙飛行士)をテーマにしたポスターが掛かっています。レトロな手書き感溢れるテイストは60年代に印刷された、少し色褪せてざらついた紙の上にマッチするデザインで、私のお気に入りのソ連グッズの一つです。プロパガンダに利用されたデザインは大概わかりやすく大胆な構成で、教養あるなしに関わらず伝わりやすいメッセージ性を持っており、洗脳の材料として伝播することを目的とした一面もあったことから複雑な心境ではありますが、当時は斬新なグラフィックデザインだったと思います。

 

旧ソ連の置き型ライト

 

ロケット型の照明は以前紹介したオークションサイトで見つけて、一目で気に入り即決で購入したものです。なんといってもタワーを思わせるフォルムの赤い部分はロケット噴射の炎を表現していて、上部に付いた小さな銀のロケットのキッチュなスタイルの下に伸びゆくラインがダイナミックで幻想的で、とにかくとても気に入っています。購入時は古いままの電球が付いていて、接触部分の状態がわからずショートすると怖いので長らくただの置物と化していました。

電気機器に詳しい夫の友人のお父さんが照明器具の状態チェックとLED電球に交換してくれたので、この度、無事点灯することができるようになりました。トーリャのパパ、ありがとう。Спасибо!!

 

ファルフォール(=陶磁器)と木製のクリスマスオーナメント

ロケット型の照明の他に宇宙飛行士コーナーを部屋に作るべく購入した第2弾と第3弾の雑貨たち。なんとも言えないチープさとフォルムに愛着を抱いてしまった「いやげもの」感漂う陶磁器製の置物。夫に購入を頼んだ時、かなりビミョーな顔をしていた記憶があります。こういった紙一重なデザインは集めすぎると収拾がつかなくなりそうで、さらに奇妙な愛着が生まれると厄介なので別のテーマの購入は控えています。

木製のオーナメントは以前ウクライナに在住していた日本人の方がブログで紹介してくれたもので、私もそのフォルムに魅せられてキエフの高級ホテル内にあるお土産ショップに出向いて購入しました。実は一番軽くて小さいのに一番高価で贅沢なクリスマスオーナメント。3,500円くらいしたと思います。もちろん年中部屋に飾ってあります。

 

ソ連時代の熱き想い、次のジェネレーションへ!

そんなにたくさんではないけれど私の旧ソ連グッズたち。

それを見ているもうすぐ6歳になる息子は、ロボットで遊びながら将来は宇宙飛行士になる!と突然宣言しだして、ガガーリン効果は幼い子にも伝播しているようです。60年近く経った現在でも一般人の宇宙旅行は叶いませんが、もしかすると物凄いテクノロジー技術が一般化して、テスラ社の超高性能な宇宙用ロケットで時空を超えて金星旅行に行ける日が目前に迫っているかも知れません。

     R-7ロケットに生物初で乗せられた「ライカ犬」を讃える記念切手。子供の頃父からもらったもの。

その時は既に宇宙飛行士なんて職業はオワコンで、誰でもスマホに変わる超便利なデバイスをサクッと操作して月でランデブーなんてことになるのでしょうか。

夢は膨らむばかりです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆さんに遠い異国の地からSACHIALE  Lifeをお届けしていきますので、当ブログに来ていただければ幸いです。