世界に誇れるウクライナのチョコレート会社、「ROSHEN」参上!
- 2020.06.14
- ウクライナの食べ物
- チョコレート菓子, 地元の美味しいお菓子, 海外のスーパーマーケット, 食材
幼い頃の憧れだった、ヨーロッパ製のチョコレート
バブリーな世の中だった子供時代、お土産にヨーロッパ製のチョコレートをいただく機会があり、そんな時はいつも姉妹で一番美味しそうな形の取り合いになっていました。
今ではコンビニでも買うことができる海外製のチョコレートですが、その当時は綺麗な箱に入った様々な形と飾りのチョコレートキューブは、田舎の近所のスーパーでは買うことができない独特の香りと空気感を届けてくれる海外への憧れを強化する象徴的な存在でした。
ウクライナで知ったハイクオリティな食べ物の一つ、チョコレートは侮れぬ!
チェーホフの「私はカモメ」から名付けた? シンプルなミルクチョコレート「Чайка=カモメ」。レトロな雰囲気
最初に「ROSHEN」=ロッシェンのチョコレートを食べたのは、紙箱に入った板チョコ型が何ピースかに分かれたダークチョコだったと記憶しています。カカオの香りが強くて美味しく、てっきり日本に輸入されていないどこか東ヨーロッパで作られた高級なメーカーのものだと思っていたので、それらがフツーにキオスクやスーパーレジ横の棚なんかに並んでいるウクライナ製のメーカーだという事実を知った時には正直「ムムム!」となったのでした。
その後様々なROSHEN商品を知っていく過程でますますお気に入りとなり、一般的な他のチョコメーカーはシカトして、ずっと一ファンとしてこの国でその動向を追うことにしたのですが、今回はそんな「ROSHEN」について商品や自分なりに感じていることをご紹介しようと思います。
「チョコレート王」が大統領になっちゃった
まず、ざっくりと「ROSHEN」のオーナー紹介をしようと思います。
創業者は知っている方も多いのですが、2014年ロシアとの動乱の際に大統領になった、ペトロ・ポロシェンコです。苗字の『ポロシェンコ(Poroshenko)』の「ポとコ」をとって『ロッシェン(ROSHEN)』と名付けています。
Wikiを読んでみると大学卒業後にカカオ豆取引のビジネスを始めたようで、甘ーいスイーツを武器にダークチョコレートよリも真っ黒な90年代のソ連崩壊後から一代で巨万の富を得たという相当なツワモノなのです。賛否はあるにしても、誰もが認めるウクライナでの成功者の一人です。
その後また別の動乱に紛れて、一国の大統領になっちゃうくらいのビジネスセンスと権力欲には只々凄みを感じます。もし旧ソ連の国に生まれていなかったら彼はもっと世界的なビジネスマンだったに違いないと思いますが、この国で「ROSHEN」を創業してくれたことは私にとってはラッキーでした。
「チョコレート王」という異名を持つポロシェンコですが、期待されて大統領になった以降は結局国内の汚職問題に切り込まず、景気も回復しないことから国民の批判が起こり昨年選挙で大統領のポジションを失っています。ポロシェンコが大統領になった翌年から昨年末まで日本に帰国してしまったので、国民の政治への皮膚感覚は分からずじまいなのですが、ポロシェンコを讃えるような言動は公にできない雰囲気があります。
そんなことがあってもROSHENの商品は相変わらずたくさん売られていますし、新商品も出ていて一般庶民の中で根強い人気お菓子メーカーであることには変わりなさそうです。
敢えて「ペーチャ」と呼ばせていただきたい
ごちゃごちゃした政治的なドス黒さは横に置いて、ただ単にお菓子メーカーのオーナーとして今後も美味しいお菓子を提供して欲しいので、カジュアルにペトロ(露語でピョートル)の愛称である「ペーチャ」おじさんと呼ばせていただきたく存じます。
庶民的な価格なのに「ムムム!」となった正体、クオリティの高さにニンマリ
お高いスイーツにありつけて舌鼓をうつ瞬間は極上のひとときですよね。
そんな時は高級な材料を口の中に長く留めてマッタリした時間を楽しむとか、この値段でこのクオリティ!ヤバし!!になるとか、、食べ物ってイヤらしいかも知れませんが、値段に左右されてトータルジャッジすることは往々にしてあります。
そんな感じで、庶民的な価格でどこでも購入できるスイーツとして「ムムム!」となるのがROSHENのお菓子たちです。
チョコレートのクオリティもさることながら、ミルクテイストのクオリティも侮れない!!
ROSHENを食べようと久々に口に放り込むと、ただの甘いスイーツとはひと味違いがあるのです。このひと味がクリームやキャラメルの質なのか、ナッツやフルーツのさじ加減なのか、一緒に舌の上に広がって重層的な味を生み出す感じがとても心地良いのです。コスパ最高!というところでしょうか。
それがどこでも購入できる一般的なお菓子なのだから堪りません。
いつも食べたい気分ではあるのですが、さすがに体重が気になるところなので、たまにポイっと食べて、あー、美味しい!やっぱROSHEN!の気分を大切にしたいところです。
棒キャンディーも美味しい。中央エビのイラストのキャンディーはサクサクしていて懐かしさのあるテイスト。
「ROSHEN」の直営店が恋しい
ROSHENには直営店があります。ウクライナの主要都市にはショッピングモールの1Fエントランス横や、孤立型の店舗を運営してチョコレートの匂いとたくさんのお菓子がグラム売りになっており、ワクワク感に乗せられていつも思った以上に購入してしまいます。
以前キエフにいた頃は全種類のお菓子を購入できることもあり、価格も統一なのでよく購入していました。ここスーミにはありません。本当に残念。。
以下ROSHENの公式サイト 日本語はありませんが英語で商品画像が確認できます!
https://roshen.com/ua
サムネイルが付かないようですいません。ご興味ある方はぜひ覗いてみて見てください!
独断と偏見で選んだ、『勝手に「ROSHEN」ランキング!』
スーミで購入可能な、以前から好きだった商品を私の目線で選んだ「ベスト5」を紹介したいと思います!
第5位
子猫ちゃんが牛乳入りのコップを持っているイラストが特徴の「MILKY SPLASH」です。
以前は「CТАКАН МОЛОКА=コップの牛乳」というウクライナ語だったのですが、輸出用に変更したのか英語名に変わっています。
柔らかめのキャラメルの中に、コンデンスミルクとホワイトチョコレートも感じる濃いミルク感たっぷりのクリームがとろりととけ出して、キャラメル味と相まって万人受けするテイストです。いわゆる安いミルクテイストとは一線を画すリッチな旨味のソフトキャンディーですが、再移住後久々に食べてみたら少し甘みがマイルドになってもっと美味しくなったような気がするのですが、、気のせいでしょうか。
毎回評判がいいのでお土産には必ず購入する商品です。やっぱり美味しい!
100g≒50円程(一粒10g/5~6円)
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第4位
「Ліщина Цукерки リシィナ=ヘーゼルナッツのお菓子」、ダイレクトなネーミングのチョコ菓子です。
ちょっとレトロな包み紙で地味な感じがするのですが、セレクトが少ないお店にも大抵売っているので多分人気商品なのでしょう。カカオの旨味とヘーゼルナッツのアロマが鉄板のテイストとなります。デザインと値段を見て一般的なちょっと大きいフィンガーチョコレートのようなお菓子と思いきや、いい意味で裏切られます。
クリーム系でなくふわっとしたエアリーなチョコレートが詰まっていて、ただただ旨し!
100g≒¥75円(一本20g/15~20円)
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第3位
板チョコ「DARK CHOCOLATE Orange peel」
私が日本へ帰国している間に発売された板チョコシリーズ。全て英語表記のシンプルでおしゃれな紙パッケージで、ウクライナ感ゼロの見た目です。
ROSHENはとにかくダークチョコが秀逸で、芳醇な中にふっと鼻に抜ける感じは一般的なチョコレートから感じることはない旨味なのですが、このビターチョコと甘くないオレンジピールの苦味とフレッシュ感がなんとも大人のテイストで、食べた後リッチな気分になれちゃいます。
美味しいコーヒーのお供に、アルコールとの相性も良さそう。
1枚90g≒80円
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第2位
アイスクリームの横にちょこんと乗っているウエハースはただ単にウエハースであり、飲み物がない状態で食べるとパサパサしていて、今日は絶対ウエハースを食べたい!ということは人生でそうないと思います。
私の中でウエハースのポジションを劇的にあげた「ROSHEN WAFERS」が堂々の第2位です!
5年前には「Наполітанки=ナポリタンキ」(なぜナポリなのか謎)という名前でビニールに包まれていて赤いテープをピリピリぐるっと剥がすタイプのものだったのですが、初めて食べた時はあまりに美味しくてマジマジと眺めた記憶があります。少し厚みがありサクッとした後に重層的なクリームがフワワ~っとして、上顎や舌にくっ付く違和感もない感じが只者ではないお菓子オーラを放っていたのでした。
絶対に人気商品だったはずですが突如姿を消してしまって、その時は日本語で良いならナポリタンキへの愛着をしたためた手紙を本社に送りつけたいくらいガッカリしてしまいました。。
その後姿を変えたのが今回のWAFERSです。こちらも英語表記となります。
ホワイト・チョコレート・ヘーゼルナッツの3つのテイスト全てが美味しいです。
「ナポリタンキ」の方が美味しかった気がしてしまうのですが、やっぱりそれを考慮してもこのWAFERSの美味しさ・手軽さと価格は2位にしたいです。
1パック4個72g≒30円程
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堂々の第一位はやはり揺るぎません! チョコレートのお菓子です!!
第1位
私の一番のお気に入りは何と言っても「БАТОН=バトン」というチョコレートバーシリーズです。
その中でも一番好きなテイストはクリームブリュレ!プリンのような味わいとは一味違うのですが、薄いミルクチョコレートのコーティングから容易く溶け出す濃厚なクリームは、世界共通甘党の心を鷲掴みするリッチなコクと旨味をダイレクトに感じるクオリティです。
1本43g=¥35程
ビニールのパッケージより一段上を行く金刷りの紙に巻かれたラッピングで、ビジュアルを裏切らないテイストは「ムムムム!!」となること必須です。それがレジ横のガムやミントタブレットと一緒に陳列されている、世界でおなじみのメジャーなチョコレートバーの一角にあるのだから、ホントにビックリしてしまいます。
濃厚な「キャラメル」も大人リッチな「ラム」も、どれもハズレなし。
昔はパッケージを開くと一本のチョコバーになっており、真ん中の部分にたっぷりすぎる美味しいクリームが詰まっているので、齧ってもお皿の上でカットしてもクリームがダダ漏れ状態で、チョコが溶け出さない気温の中で齧り付きつつススるという、ちょっとしたテクニックが必要でした。
「いくつかの山型に分かれていればもうちょっとスマートに食べられるのに~」と思いながら、そうなると中のクリーム量が減るかしら??等が頭をよぎりながらも、たまに購入してはカロリー爆発であろうと関係なく噛り付いていました。数年前に思った通りの山型に分かれたフォルムになって!やはりクリームの量は減ったのですが、劇的に食べやすくなっています。このバトンが世界中のメジャーなチョコレートバーになって、レジ横に陳列されればいいなあーと心から願っていますし、みんなでこの味を共有したい限りです!
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勝手にランキングを見て食べたくなった方々、連絡をお待ちしております!
適正価格にて日本へ郵送することもできるかも知れません。
駄菓子並みの価格でハイクオリティな味を楽しめる「幸福」
もっと価格帯の低いチョコレートメーカーがあり、ROSHENはウクライナではお高めポジションのメーカーです。日本でこのレベルのクオリティと価格で販売することは不可能なので、そのテイストを楽しめることは発展途上国に住んでいる「メリット」の一つと言えるでしょう。
世界中を旅してきたわけではないので比較することはできませんが、どこの国にも優れたビジネスマンがいて、美味しいお菓子や食品を提供してくれている会社は沢山あるのだと思います。
貧乏だってうまいもんは作れるぜ!スピリットを世界にアピールすべく、これからも日本人が感じる角度からウクライナでのリアルライフを発信していければと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
遠い異国の地ウクライナから、SACHIALE Lifeをお届けしていきます。 次回もぜひ、お立ち寄りください!!
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