ウクライナ生活では必需品のボイラータンク。インフラ事情〈温水編〉
- 2020.07.02
- 日常生活
- ウクライナのインフラ, 住宅事情, 移住
今回は生活の上で欠かせない生活用水としての温水に関してお伝えしていこうと思います!
まずはウクライナで標準的な住宅事情を少しお話しいたします。
集合住宅「Квартира=クバルチーラ」
標準的なКвартираの外観。この建物は比較的新しい雰囲気
ソ連時代から続く、スタンダードな住宅
今住んでいる賃貸アパートは「Квартира=クバルチーラ」と呼ばれているスーミでは中堅の集合住宅で、そんなに古い建物ではありません。
まずКвартираについて簡単に説明すると、ソ連時代、都市部や工業エリアを中心とした労働者たちのために建てられた住宅団地で、家族の規模に合わせて部屋割りを行なったようです。当時の様子を聞いた雰囲気だと「あんたはこっち。あんたはあっち。」みたいな割り振りで、市民たちはもらえただけでラッキー!といった楽天的な感覚が伝わります。その当時は社会主義だったので表向きな住宅の資産価値という概念はなく、勤めていた国営会社のセクションによって(いわゆるコネで)いい物件が割り当てられるといったこともあったようです。
比較的大きな都市のロケーションの良い場所をゲットできた家族は、ソ連崩壊後にそのまま譲渡されることになった部屋の価値が上がり大きな資産を得ることができたと考えると、私としては相当モヤモヤしますが、みんなその状況を概ね受け入れているようです。
突如お湯が出ない!
住んでいて一番困るのが水と電気が突然止まること。年間で何度かあり頻繁に起こるのは暖かい季節に集中しています。作業員が働きやすい季節に工事をしているからでしょう。
夏の最中にシャワーが使えないのは困ります。。
電気はインターネット回線がなくなるので困りますが、もっと困るのが突然の断水です。
料理も作れなくなる上に手も洗えず、もちろんトイレも流れなくなります。そしてそれがいつ再開するのか分からないので、ゆったり待っているしかありません。水自体は長くても数時間で再開しますが、問題は温水です。
壁に備え付ける大きなタンクを購入
6年前に住んでいたアパートはガス湯沸器が設置されていたので、そういった懸念はなかったのですが、以前からウクライナ全土の至る所で発生するように、ここスーミでも暖かくなる頃に1ヶ月お湯が出ないことは毎年のようにあります。
この部屋には電気で沸かすボイラータンクが設置されていなかったので、数ヶ月前に自分たちで購入していたタンクを設置しようと思い、今回やっと設置工事を依頼することになりました!
タンク本体は80ℓで、私の好きなЕпіцентр=エピツェントルという巨大ホームセンターのネット通販で購入しました。
Епіцентр=エピツェントルについては、後日別の機会に紹介します。DIY好きな方は一日楽しめる広さとアイテムが揃っています。
箱で見ると巨大なタンク。80ℓの水を満たして壁に設置する。考えるとすごい重さ。
・本体価格2,000грн(≠8,000円)
・設置作業費[パーツの実費+作業費1,000грн](≠4,000円)
合計3,000грн (≠12,000円)程かかりました。
主観的だが、大家さんの人柄は大切
ちょっと話が逸れますが、
日本では賃貸の場合部屋に必要な機器は大家さんが設置・メンテナンスをするのが常識ですが、ここではそんな常識はありません。夫曰く、部屋の条件も大切だけどオーナーの人柄も大切!と力説していて、オーナーの雰囲気がいいからこの部屋はいい!みたいな決め方をしていました。
キエフとスーミでそれぞれ1軒ずつ、ここが3軒目なのですが、実際住んでいく上で機器の故障や修繕など細かい事案が発生してその度に交渉することになるので、やっぱり大家さんの人柄が大切なのは実感としてあります。
今回の件は大家さんが海外住まいのため、ロックダウン後に帰国が難しく金額面など話ができておらず、自分たちで購入して設置の許可だけ取っている形になりました。これ、支払ってくれるのでしょうか。。もしダメなら退去するときに諸共持っていくまでですが。。
技術者のおじさん探し
もう一つの問題が設置をしてくれる技術者探しです。
今回の設置工事は、壁にドリルで穴を開けてタンクを設置することと、電気系統と水道の接続です。大家さん側がタンク設置の際に使用する冷水温水のパイプと電気プラグの工事を完了していた状態だったので(ここまでやるならタンク設置までやって欲しかった。。)大掛かりにならずに済んでいます。
こういった工事が必要な場合は、依頼主が専門の会社に連絡をして技術者を派遣してもらうスタイルが主流のようです。現場要員はフリーランスといったところでしょうか。個人の裁量に任されているので、技術者から連絡するといって1日待っても一向に連絡が来なかったり、こちらが依頼した会社から技術者に連絡が入っているのか不明だったりで、最初に依頼してから数件目、4日がかりでようやく見つけた技術者の方が今回作業に取り掛かってくれました。こういうのが一番ストレスなのですよね。。
タンクだけがなかったバスルームの壁。左) 技術職とは思えぬラフなスタイル。これは標準的です。右)
ワイルドな工程。接続先がなかったパイプも無事繋がり、設置完了!
そして温水が停止。。
設置開始までの4日間を過ごしていた3日目の夜からお湯が突如出なくなりました。
なんというタイミング!まあ温水が使えなかった日が一夜だけと考えるとある意味ピッタリのタイミングだったのかも。
ウクライナ人の夫がシャワーを浴びられないのは家族として香害!なので、設置工事が完了して本当に助かりました。。噂ではこれから1ヶ月お湯が止まる予定らしい。公式の情報はまだありません。。
この部屋は少し特殊らしく、キッチンとお風呂場のパイプがそれぞれ独立して計4本の水道のパイプが来ているので、タンクを設置したお風呂のお湯は使えるようになるのですが、キッチンは水のみ。油物のお皿を洗うのが大変そうですが、なんとか頑張ります。。
今回はちょっとネガティブな内容になったかも知れませんが、最悪の事態を想定して先手で動く!という行動のおかげで、温水が使えるようになったのでとりあえず良しとします。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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